4月24日(日)、ホテル評論家の瀧澤信秋先生と私(旅行コラムニスト 森川孝郎)とでトークショーを行います。
「古都散策とホテルの旅」(シャンスレスポンスギャラリーショーVol.8)
旅をテーマに語り尽くすシリーズ第5弾、毎回満席の大人気のトークショーです。
場所は、東京の根津になります。
今回は、京都と鎌倉を中心に、観光に関する時事問題も少し取り上げながら、京都と鎌倉をもっと楽しむ方法などを話したいと思います。
「ここでしか話せない話」なども飛び出すかもしれませんので、ご期待ください!
この春話題になりそうな、鎌倉駅周辺の2つの施設
この春、鎌倉駅周辺の2つの施設が話題になりそうだ。
1つは、リニューアル工事を進め、3月28日にグランドオープンを目指す「鎌倉彫会館」。館内の資料館の展示を充実するとともに、鎌倉彫の器で料理や飲み物を提供するカフェもオープンする。
もう1つは「鎌倉で一番きれいなトイレ」を目指して有料トイレサービスを提供するとともに、鎌倉の観光情報の発信基地としての機能を兼ね備える「M's Ark KAMAKURA」。
3月24日、2つの施設を取材してきたので、ご紹介したい。
■鎌倉彫会館 会館内にカフェもオープン!
2015年12月1日から改修工事のため約3ヶ月間休館していた「鎌倉彫会館」と会館内の「鎌倉彫資料館」が、このほど工事を終え、3月28日にグランドオープンする。
リニューアルにあたって、「鎌倉彫資料館」をこれまでの1階から3階へ移設し、展示を充実させた。
(会館3階の「鎌倉彫資料館」)
また、展示空間も広くなり、今までよりもゆっくりと作品を鑑賞できるようになったほか、展示ケースや照明も一新し、より彫りの陰影や漆が美しく際立つようになった。
今回のリニューアルの目玉とも言えるのが、会館の1階にオープンする鎌倉彫の器で料理や飲み物を提供するカフェ「倶利(ぐり)」だ。店名の「倶利(屈輪とも書く)」とは、鎌倉彫の文様の一種。
(カフェ「倶利(ぐり)」)
鎌倉彫協同組合代表理事の後藤尚子氏は、「カフェのオープンで、鎌倉彫をより身近な存在と感じて欲しい。また、コーヒーなどの器としても使えるなど、鎌倉彫の新しい使い方・可能性を提案していきたい」と語る。
1階では、カフェのほか、ショップ、ギャラリーを展開する。
鎌倉彫会館ホームページ
■鎌倉で一番きれいなトイレ
一方、4月1日に鶴岡八幡宮至近の場所に新規オープンするのが、創作そばと懐石料理の老舗「鎌倉 峰本」が運営する「M's Ark KAMAKURA」。
(各国語メニューに対応した情報検索用タブレット)
ビル1階では鎌倉の地層の展示、2階ではビデオ放映や各国語メニューに対応した情報検索用タブレットによる鎌倉の観光情報の発信などのほか、有料トイレサービスを提供する。同施設のサービスで、特に力を入れているのが有料トイレサービス。1回100円で利用でき、2名の清掃員が常駐するという。
峰本グループ会長の長戸芳郎氏は、「趣味の海外旅行で最も気になるのは、安心して使える清潔なトイレがあるか否か。これにより、旅行の満足度が格段に変わる。観光地・鎌倉に生まれ育ち、長年、商売をさせて頂いた恩返しに、鎌倉の観光満足度向上に寄与したかった」と語る。
(女性用トイレのパウダールーム)
きれいなトイレと各国語での観光情報提供を同じスペースで提供する同施設のサービスは、インバウンドで増えつつある外国人観光客の満足度向上にも間違いなく寄与しそうだ。
M's Ark KAMAKURAホームページ
鎌倉の大仏様 半世紀ぶりの「健康診断」を終えて
新聞などで「大仏様の健康診断」などとも伝えられたので、ご存じの方も多いと思うが、鎌倉大仏(国宝銅造阿弥陀如来坐像)は今年1月13日~3月18日まで、約2ヶ月にわたる大がかりな調査・清掃作業を終えたばかり。
このような大仏の本格的な調査は、1959(昭和34)年から2年半かけて行われた、いわゆる「昭和の大修理」以来、およそ半世紀ぶりとなる。
(調査・清掃作業を終えた鎌倉大仏)
3月22日、高徳院で今回の作業に当たった東京文化財研究所による記者会見が行われた。ニュースサイトでは文字数の制限があるので、改めてここで少し詳細な情報をお伝えしようと思う。
■健康状態は「おおむね良好」
東京文化財研究所の森井順之(まさゆき)主任研究員によれば、金属状態調査の結果、心配された進行性の腐食生成物(サビ)の存在は小さく(背中付近にスポット的なものが数カ所確認されたのみ)、経過観察で十分と結論付けるなど、大仏の状態は「おおむね良好」とのこと。
(金属分析調査の様子 写真:東京文化財研究所)
■免震装置の調査
鎌倉大仏の免震装置は、「昭和の大修理」の時に導入されたもので、台座と仏体を切り離し、鉄筋コンクリートで補強された台座の上に御影石を載せ、その上にステンレス板を置き、水平に仏像が地震時にすべることにより免震とする、いわゆる「すべり免震」が用いられている。
今回の調査で、「すべり免震」に用いられているステンレス板に汚れはあったものの、腐食や変形等、大きな問題は見られなかった。
ただし、半世紀前の免震装置であるため、現在の免震装置と比べると、メンテナンス用の空間が確保されていない、すべった後に「戻る」動きが弱いなどの課題もあるという。
森井氏は、「今後も調査を続け、大地震の際に装置がきちんと機能するかを確認する必要がある」と述べた。
■クリーニング
大仏は年2回、「お身拭い」として、高圧洗浄機を用いての清掃作業を行っている。しかし、足場の高さの制約などで、頭部など高所は充分な洗浄ができていなかった。今回は、大仏の周囲に素屋根を組んでの作業を行ったため、頭部を含め充分なクリーニングができた。
とくに外周は界面活性剤による洗浄のあと高圧洗浄機を用いて洗い流した。鎌倉は海に近く潮風の影響を受けやすいため「塩害」が心配されるが、洗い流した水の塩分濃度を測定した結果、像の表面に付着していた塩分も、かなりの割合で除去できたのではないかという。
■チューインガムの付着
今回の作業でクローズアップされたのが、像の外周に30ヶ所、内部(胎内)に100ヶ所以上見つかった、心ない拝観者によるものと思われるチューインガムの付着だ。
(左膝上に付着したガム 写真:東京文化財研究所)
付着後かなり時間が経過しているものもあり、像を傷つけないようメス等により少しずつガムの表面を削っていき、溶剤(酢酸エチル)を浸した綿棒で拭き取るという手間のかかる作業が必要なため、1ヶ所除去するのに30分~1時間かかるなど、かなりの時間を要したという。
一部、まだ除去しきれていない箇所もあり、今後、寺院で対応する方針という。
■大仏の顔は金色だった?
もうひとつ話題になっているのが、大仏の顔に残る「金」の存在だ。
X線調査などの結果、左右の頬、鼻頭、まぶたに金が残っているのが確認された。大仏の顔は、かつて黄金色に輝いていたのだろうか? なお、現在のところ、金箔が貼られていたのか、鍍金(トキン 金メッキ)であるかは判別していないという。
■今後の予定
現時点では、緊急の修理は必要ないとし、今回の調査で取得したデータは解析を進め、4月以降に論文等で発表していく予定という。
■高徳院 佐藤住職のお話
調査・清掃作業の完了を受けて、高徳院の佐藤孝雄住職は、「無事に終えてホッとした」と語る一方で「安閑としていられない部分もある」という。
世界的な問題となっている大気汚染などの問題に加え、今回発覚したガムの問題も重視している。
「大仏は国宝仏として希有(けう)な存在。ガムの件は一部の心ない拝観者の所業と思われるが、現在のような(胎内拝観も許す)拝観が今後も続けられるかは、ひとえに拝観者の良心にかかっている」と述べた。
昨日からミニ写真展をやらせていただいています
昨日(3月21日)から、「かまくら駅前蔵書室」でミニ写真展をやらせていただいています。
■旅行コラムニストが撮影した鎌倉の桜八景
(森川孝郎ミニ写真展)
開催期間:3月20日(日)~4月10日(日)水曜定休
時間:12:00~22:00(最終入室21:00)
場所:かまくら駅前蔵書室
「かまくら駅前蔵書室」は会員制の図書館ですが、一般の方も無料でご覧いただけます。
「かまくら駅前蔵書室」ブログ
絶景などが楽しめる、冬でもおすすめの旅行先
最近、All Aboutの国内旅行コーナーに執筆した、絶景などが楽しめる、冬でもおすすめの旅行先の記事を何本か紹介します。
奈良県の三重県境に近い宇陀(うだ)市にある室生寺は、4月~5月にかけて咲く3000本のシャクナゲが有名ですが、冠雪した冬の景色も美しい!
あの世界的旅行ガイドブック「ミシュラン」の表紙を飾った新倉山(あらくらやま)浅間公園では、どのような絶景が楽しめるのでしょう?
山に囲まれた鎌倉には、多くの絶景スポットがありますが、その中でも六国見山(ろっこくけんざん)は、峰々の最も外側に位置するため、素晴らしく雄大な景色を楽しめます。
ケーブルカーで比叡山に登ると、琵琶湖を一望する絶景を楽しめます。また、比叡山の麓にまつられている日吉大社には、申年(さるどし)に、ぜひとも手に入れたいお守りがあるのです。
その青さ、世界遺産級! 東京からそう遠くない神奈川県の丹沢に、こんなに神秘的な場所があるとは驚きです!
BIGLOBE会員誌『サーイ・イサラ』
BIGLOBE会員誌『サーイ・イサラ』2016年2月号の特集記事
ウェブ活用で、旅が断然スマートに!
週末冒険旅行のススメ
の監修をさせていただきました。
↓のページから「ちょい読み」ができます。
PCとスマホで、検索順位の違いが顕著になってきている?
昨年4月に、グーグルが「モバイルフレンドリーアルゴリズム」を導入したニュースは、ホームページを運営されている方なら、よくご存じかと思います。
モバイルフレンドリーアルゴリズムの重要性-Googleの新しいアルゴリズムにどう対応するべきか? | SEO Japan
スマホでサイトを閲覧するユーザが劇的に増える中、スマホで見やすい画面を用意してね、とグーグルがサイト運営者に言ったわけです。
具体的には、グーグルが用意した「モバイルフレンドリーテスト」に合格するページを用意する必要があります。
このアルゴリズム導入の結果、モバイルフレンドリー対応済のページは、スマホでの検索結果で、モバイルフレンドリー未対応のページよりも上位に表示される、つまり優遇されるようになりました。
ちなみに、PCでの検索結果は、従来通りの検索結果が表示されます。
はじめのうちは、PCでの検索結果とスマホの検索結果で、それほど顕著な違いは感じられませんでしたが、最近は、かなり違う結果が表示されるようになってきたように思います。
例えば、私が運営する鎌倉の観光情報サイト「鎌倉紀行」を例に見てみます。このサイトは、2015年10月頃に、モバイルフレンドリー対応をほぼ完了しました。
鎌倉紀行 鎌倉のハイキングコースと観光スポットのガイドサイト
(以下、検索履歴等の影響を受けないようにChromeのシークレットモードで検証)
グーグルで、「鎌倉」というキーワードで検索した場合、2016年1月27日現在、
PC検索 → 「鎌倉紀行」は8位に表示
スマホ検索 → 「鎌倉紀行」は6位に表示
と表示順位が異なります。これは、モバイルフレンドリー対応がなされているため、若干、検索結果にゲタを履かせてくれているということなのでしょう。
逆に言うと、モバイルフレンドリー対応をしていないページが、順位を落とされているという見方もできます。
また、ほかの10位以内に表示されているページを見ると、PC検索では、個人運営を含む昔から鎌倉の情報を発信しているサイトが上位表示されるのに対し、スマホ検索では大手の新規参入組が上位表示されているようです。
いち早くモバイルフレンドリー対応を終えた、大手サイトのほうが、上位に表示されやすくなっているのではないかと思われます。
もちろん、スマホで見やすいページが増えることは良いことなのですが、少し心配なのは、個人が運営している、地元ならではの濃い情報を発信しているようなページが、今後、どんどん淘汰されていくのでは?ということです。
モバイルフレンドリー対応の方法としては、PC画面とは別にスマホ専用の画面を用意する方法や、レスポンシブ対応と言って、画面のサイズに応じてサイトのレイアウトを動的に変化させて表示する方法がありますが、いずれにしても、個人だと、資金やコーディングスキルの問題などで、迅速にモバイルフレンドリー対応をすることが難しいケースが多いのではないでしょうか。
ネットの普及で「誰でも」情報発信可能な世の中になったとよく言われますが、今後は、むしろ、発信者の淘汰が進む可能性もあるかもしれませんね。