先日、取材させていただいた神奈川県葉山町と横須賀市にまたがる「湘南国際村」と、横須賀の秋谷海岸へ至る里山「子安の里」の散歩道を記事にまとめました。
江戸時代、このあたりは農耕が中心の集落でしたが、決して肥えた土地ではなく、山から切り出した「薪(たきぎ)」や、炭焼き小屋で焼いた「炭」を街で売り、生計を立てていたようです。
その名残りは今もあり、集落に2軒ほど残る炭焼き小屋からは、たまに炭焼きの煙が立ち上がります。
そして、もう一つ、「子安の里」を歩いて印象的だったのが、記事中で「日本の『ピエタ』」と紹介している、「子安観音」。
ヴァティカンの『サンピエトロ大聖堂』の『ピエタ』(Pieta ミケランジェロ作)にも似ている、この小さな石仏は、子の安らかな成長を願って彫られたもの。
その、子を想う、優しげな表情がとても印象的でした。
昔ながらの生活と自然が残り、昔の実際の生活は厳しかったのかも知れないけれど、優しさに包まれるような雰囲気の「子安の里」。一方、その中に、突如、バブル経済がもたらした未来都市「湘南国際村」が存在するという不思議とも言える対照的な風景。
なんだか、いろいろ考えさせられる場所ではありますが、散歩には最高の道です。